皆様、こんにちは、未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
当ブログでは、社長とともにその企業の未来を考える資格「中小企業診断士」取得者を増やすための情報を発信しています。現在、5回にわけて中小企業診断士の第二の関門である二次試験に合格するための情報をご紹介しています。前回は、中小企業診断士二次試験の事例2(マーケティング)に合格する方法についてご紹介しました。今回は、第4回として、中小企業診断士二次試験、事例3(生産・技術)に合格する方法についてご紹介します。
この記事を最後まで読めば、中小企業診断士二次試験事例3の傾向や対策を知ることできます。ぜひ最後までお読みください。では本題に入ります。
私の事例3の受験歴=3回受験し2回合格
最初に私の二次試験事例3の受験歴を紹介します。
| 年度 | 平成24年 | 平成25年 | 平成26年 |
| 評価・点数 | B | A | 63※ |
| 結果 | 不合格 | 合格 | 合格 |
私は、二次試験を3回受験し、事例3は2回合格しました。私は大学を卒業してから、3年間中小規模の理化学分析機器メーカーで3年間技術開発をしたキャリアがありましたので、事例3の現場は肌感覚で理解できました。だから事例2同様得意であるという自負がありました。また、他の事例では試験中の手応えと実際の結果が一致しないことが多かったですが、事例3については試験中の手応えと結果はほぼ一致しておりました。この理由は事例3の問題特性と関係があります。(理由は後述します。)
事例3の学習ツール=別途対策が必要
次に事例3を学習する上で必要なツールをご紹介します。結論をいえば、事例3について人によっては、別途対策が必要となります。理由は、事例3が生産・技術を扱うため、製造業の現場になじみがない方にとって、事例3の与件文に書いてある内容は理解しにくいからです。そこで事例3の学習をはじめる前に、生産管理に関する初心者向けの解説書を読むことをおすすめします。
(個人的には「中小企業診断士試験ロジックで理解する運営管理」がおすすめです。製造業について、研究開発戦略レベルから論理的に理解することができます。)
そして、ある程度製造業の現場感覚を理解できたら、全知識で一次知識を補充して、事例攻略のセオリーに従い、過去5年分の事例3を解いて、ふぞろいの合格答案で採点してください。
以下に学習ツールのリンクを掲載します。ぜひ購入して合格を勝ち取ってください。
事例3の問題の特徴=工学・機械的な分野で、課題とその解決策が論理的に明確に説明できる
では、事例3にはどのような特徴があるのでしょうか?その答えは、工学・機械的な分野で、課題とその解決策が論理的に明確に説明できることです。理由は、事例3が、生産・技術に関する事例として以下のような6つの特性を持つからです。
- 製造工程やビジネスの工程を図示して全体像を確認することが有効
- 経営課題が明確で与件文にはっきり書いてある
- ビジネスモデルにおけるC社の立場を理解することが重要
- 事例3の企業には共通の課題が多く解決策をパターン化できる
- 最終製品を自社開発し、直接販売するという打ち手が有効
- 拡充すべきは営業部門であることが多い
以下順番に説明します。
製造工程やビジネスの工程を図示して全体像を確認することが有効
事例3の特性の1つ目は、「製造工程やビジネスの工程を図示して全体像を確認することが有効」です。事例3の与件文を読むと、顧客から受注し、商品を製造して、出荷した売上が入金されるビジネスの工程、顧客からの要望を元に設計、原材料調達、生産計画立案、加工作業、組み立て作業、出荷作業に至る製造工程について文章で長々と説明されています。そして、複雑で入り組んだ工程であることが多いので、与件文を読みながらそれらの工程を簡単に図示して整理することをおすすめします。図示してビジネスの全体像を把握すると、「あれ?この工程がボトルネックかな?」とか「この工程が不足しているな?」などC社の課題に気づきやすくなります。
経営課題が明確で与件文にはっきり書いてある
事例3の特性の2つ目は、「経営課題が明確で与件文にはっきり書いてある」です。事例1(人事・組織)では経営課題が与件文で明示されず自分で推測する必要がある場合が多いですが、事例3では、与件文中で経営課題が明示されていることが多いです。そして、多くの場合、与件文の後半にC社社長の言葉として書かれていることが多いです。ただし、それは現在の経営課題であり、未来の事業展開にむけた真の経営課題が別にあることも多いです。その場合は、回答文で適切に助言する必要があります。
ビジネスモデルにおけるC社の立場を理解することが重要
事例3の特性の3つ目は、「ビジネスモデルにおけるC社の立場を理解することが重要」です。つまり、C社が属する産業のビジネスモデル全体で、C社がどのような役割を担うのかを理解してください。具体的には、C社がサプライヤー、メーカー、外注、設計、部品加工、組立、出荷、施工・設置等のうち、どの立場でビジネスを展開しているかを確認してください。理由は、「直接の顧客はだれか?」「新たな戦略を考える際に進出すべき先はどこか?」を確認することで、最終問題でC社の今後のあるべき姿を回答する際の回答文の質が向上するからです。
共通の課題が多く回答をパターン化できる
事例3の特性の4つ目は、「共通の課題が多く解決策をパターン化できる」です。日本の中小製造業の多くは親会社であるメーカーからの依頼で部品加工や原材料を調達し供給する下請け企業です。ですから、事例3で扱う事例企業の多くも下請け企業であるため、課題や解決策が共通であることが多く、ある程度回答文をパターン化することができます。例えば、課題は、受注のサイクルと生産計画のサイクルがずれる結果、納期遅れが発生すること、解決策は、製販連携会議を実施することや生産計画のサイクルを短くすることです。
最終製品を自社開発し、直接販売する打ち手が有効
事例3の特性の5つ目は、「最終製品を自社開発し、直接販売する打ち手が有効」です。多くの場合、C社の課題は、親会社が人件費の安い海外に自社工場を移転した結果、C社に対する発注がなくなり、収益性が低下することです。そして、その解決策として、最終製品を自社開発し、直接販売する打ち手が有効となります。その結果、下請け企業を脱却し、親会社への売り上げ依存度を下げ、収益性を回復することが期待できます。
拡充すべきは営業部門であることが多い
事例3の特性の6つ目は、「拡充すべきは営業部門であることが多い」です。事例3で取り扱う企業の多くは下請け企業でこれまで黙っていても親会社から安定した受注が可能でした。その結果、これまで自社で販路開拓する必要がなかったため、営業機能が不足していることが多いです。一方で、前述の「最終製品を自社開発し、直接販売する」打ち手を有効にするためには、営業部門を拡充することが課題となります。ですから、回答において与件文からC社の営業部門拡充のための根拠を丁寧に拾い上げ方策を提案できるとよいでしょう。
事例3の回答のコツ
事例3の特徴を理解したら事例3の過去問題に取り組んでください。そして、事例3の過去問題に回答する際のコツについては、以下より事例3のファイナルペーパーをダウンロードしてご確認ください。
事例3の回答例
ではこれらを活かして、実際に事例3を回答した例をご紹介します。以下の記事をご確認ください。
生産・技術の事例を学ぶ意義=製造業の支援では3現主義の実践が重要
最後に、中小企業診断士二次試験には直接関係ありませんが、生産・技術を学ぶ意義について私見を書きます。製造業を支援する現場では3現主義を実践することが重要です。3現主義とは「机上の空論ではなく、実際に“現場”で“現物”を観察し、“現実”を認識した上で問題解決を図るという考え方」のことです。(株式会社野村総合研究所用語解説より引用)
例えば、中小製造業の経営支援の現場に大きなメーカーで生産管理をされていたメーカー出身のOBの方が入った際に、ご出身のメーカーのメソッドを最良のものとして、製造現場を見ることなく解決策を提言されることが見うけられます。その結果、提言内容はこの会社の現状のリソースでは到底実現不可能なものとなり、よくいえば理想論悪く言えば机上の空論でしかありません。皆様は、そのような診断を決してなさらないでください。まずは、事例3のように社長の話を丁寧にヒアリングしたら、必ず製造現場へ足を運び、ご自身の五感で現場の課題を体感してください。そのうえで実現可能で有効性の高いご提案をすることができるとよいでしょう。
いかがでしたか?今回は、中小企業診断士二次試験の事例3に合格する方法について解説しました。次回は、事例4(財務・会計)に合格する方法をご紹介します。中小企業診断士試験合格目指して一緒に頑張ってまいりましょう。
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。当ブログでは、今後も中小企業診断士についての情報を発信してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。

