皆様、こんにちは、未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
当ブログでは、社長とともにその企業の未来を考える資格「中小企業診断士」取得者を増やすための情報を発信しています。これまで8回にわけて、中小企業診断士の最初の関門である一次試験に合格するための学習方法を科目別にご紹介してきました。今回は、最終回として、これまでの解説内容を総括したうえで、中小企業診断士一次試験全体を俯瞰して合格するための戦略をご紹介します。
まず、最初にこれまでに紹介した科目別の学習方法を振り返ります。
「経済学・経済政策に合格するには」でご紹介したこと
最初に、「経済学・経済政策」に合格するための学習方法を紹介しました。私は、「経済学・経済政策」を5回受験し、結果2回合格、3回不合格でした。2年連続で不合格となった結果、経済学を学習する前提ができていないと判断し、「経済学・経済政策」を学習するツールとして、「石川秀樹氏の速習!経済学シリーズ」を選びました。そして、「経済学・経済政策」を学習するコツとして、経済学を学習する前提や全体像を常に把握することをご紹介しました。また、「経済学・経済政策」の試験問題の特徴は、問題の難易度の差が激しい割に配点は同じことです。そのため、知識を問う簡単な問題を先に解き、余った時間でグラフや計算など難易度の高い問題を解くことを提案しました。最後に、「経済学・経済政策」を学ぶ意義として、しっかり学ぶことでマネーリテラシーが高まる効果があるとお伝えしました。詳しくは以下の記事をご確認ください。
「財務・会計に合格するには」でご紹介したこと
次に、「財務・会計」に合格するための学習方法を紹介しました。私は、「財務・会計」を5回受験し、3回合格、2回不合格でした。二年目に足切りで不合格になった結果、「財務・会計」を学習する前提ができていないと判断し、「財務・会計」を学習するツールとして「簿記検定」を選びました。そして「財務・会計」を学習するコツとして、スポーツと同じく「仕訳」を反復練習し技能として習得することをご紹介しました。また、「財務・会計」の試験問題の特徴は、計算問題とそれ以外にわかれることです。そのため、会計知識を問う簡な問題を先に解き、余った時間で計算など難易度の高い問題を解くことを提案しました。最後に「財務・会計」を学ぶ意義として、二次試験につながる重要科目かつ学習するとマネーリテラシーが高まることをお伝えしました。詳しくは、以下の記事をご確認ください。
「企業経営理論に合格するには」でご紹介したこと
3番目に、「企業経営理論」に合格するための学習方法を紹介しました。私は、「企業経営理論」を4回受験し、1回合格し、3回不合格でした。点数は全て50-60前後で安定しており、当時は個別の対策は不要と考え、「企業経営理論」を学習するツールとして、市販の中小企業診断士一次試験用の教材(TAC出版、スピードテキスト、スピード問題集、過去問題集)を選びました。そして、「企業経営理論」を学習するコツとして、経営戦略論、組織論、マーケティングの3分野に分けて学ぶことをご紹介しました。具体的には、経営戦略論は、現実の企業に適用するには前提条件が必要であることを理解すること、組織論は、組織構造は戦略に従うことを理解すること、マーケティングはプロダクトからコミュニケーションまで含む深い概念であることを理解することをご紹介しました。また、「企業経営理論」の試験問題の特徴は、問題文も選択肢も長文であることです。そのため、問題を読んで早合点することなく、問題文、選択肢をしっかり読み込んで回答することを提案しました。最後に、「企業経営理論」を学ぶ意義として、二次試験につながる重要科目であることをお伝えしました。詳しくは、以下の記事をご確認ください。
「運営管理に合格するには」でご紹介したこと
4番目に、「運営管理」に合格するための学習方法を紹介しました。私は、「運営管理」を3回受験し、2回合格し、1回不合格でした。私にとって「運営管理」は、得意科目で点数も全て60前後で安定しており、当時は個別の対策は不要と考え、「運営管理」を学習するツールとして、市販の中小企業診断士一次試験用の教材(TAC出版、スピードテキスト、スピード問題集、過去問題集)を選びました。そして、「運営管理」を学習するコツとして、生産管理と店舗・販売管理の2分野に分けて学ぶことをご紹介しました。生産管理では、生産・製造の現場感覚がない場合は別途対策が必要です。具体的には、工場見学ツアーに参加、生産管理の入門書を読む、機械加工のYoutube動画を見ることです。店舗・販売管理では、感覚的に理解できるので、わかったつもりに注意してください。また、「運営管理」の試験問題の特徴は、幅広いジャンルから出題され、感覚的に理解できない問題に出会うことです。そのため、わからない問題は飛ばして先に進み、時間があったら戻ることを提案しました。最後に、「運営管理」を学ぶ意義として、二次試験(生産管理は事例III、店舗・販売管理は事例II)につながる重要科目であることをお伝えしました。詳しくは、以下の記事をご確認ください。
「経営法務に合格するには」でご紹介したこと
5番目に、「経営法務」に合格するための学習方法をご紹介しました。私は、「経営法務」を4回受験し、1回合格、3回不合格でした。点数として足切りラインである40点以下がなくて、比較的安定していました。だから、当時は個別の対策は不要と考え、「経営法務」を学習するツールとして、市販の中小企業診断士一次試験用の教材(TAC出版、スピードテキスト、スピード問題集、過去問題集)を選びました。そして、「経営法務」を学習するコツとして、法律用語という外国語になれることと前半は内容を理解し、後半は内容を覚えることをご紹介しました。また、「経営法務」の試験問題の特徴は、問題文や選択肢は長文となるため、読んでいて迷子になることです。そのため、問題文や選択肢を読みながら、鉛筆などで自分が読んでいる位置や意味、接続詞を理解してメモすることを提案しました。最後に、「経営法務」を学ぶ意義として、診断現場で役立つ知識であることをお伝えしました。詳しくは以下の記事をご確認ください。
「経営情報システムに合格するには」でご紹介したこと
6番目に、「経営情報システム」に合格するための学習方法をご紹介しました。私は、「経営情報システム」を、3回受験し、2回合格、1回不合格でした。私にとって経営情報システムは得意科目でしたが、敢えて、応用情報処理技術者試験に合格したうえで、科目免除を使わず受験し、不得意科目を補う得点源としました。つまり強みを生かし機会をつかみました。そして、ITに苦手意識を持ちの方向けに「経営情報システム」を学習するコツとして、「ITパスポート試験」を受験しITに関する基礎的な知識を得ることをおすすめしました。そして、ITを学ぶ前提知識を得た後に、「経営情報システム」を学習するツールとして、市販の中小企業診断士一次試験用の教材(TAC出版、スピードテキスト、スピード問題集、過去問題集)をおすすめしました。また、「経営情報システム」の試験問題の特徴は、多くの問題は、知ってるか知らないかだけを問われることです。そのため、統計学やプログラムのコードを問う問題など知らない問題を避けて、知っているだけで答えられる問題で得点を積み上げることを提案しました。最後に、「経営情報システム」を学ぶ意義として、二次試験の事例企業における情報システムの問題が問われることをお伝えしました。詳しくは以下の記事をご確認ください。
「中小企業経営・中小企業政策に合格するには」でご紹介したこと
最後に、「中小企業経営・中小企業政策」に合格するための学習方法をご紹介しました。私は、「中小企業経営・中小企業政策」を、3回受験し、2回合格、1回不合格でした。点数は、足切りもなく60点以上で安定しており、当時は個別の対策は不要と考えました。そして、暗記系である問題の傾向から、時間をかけて学習しても効率が悪いです。だから「中小企業経営・中小企業政策」を学習するコツとして、試験直前期に最新年度「中小企業白書」概要版で、中小企業を取り巻く経営環境や政策についてのトレンドをつかんでから学習を開始することをご紹介しました。そして、「中小企業経営・中小企業政策」を学習するツールとして、市販の中小企業診断士一次試験用の教材(TAC出版、スピードテキスト、スピード問題集、過去問題集)をおすすめしました。また、「中小企業経営・中小企業政策」の試験問題の特徴は、中小企業をとりまく経営環境や政策について最新のトレンドを問うため過去問が意味をなさないことです。そのため、過去問題は直近一年分一回転で演習することを提案しました。最後に、「中小企業経営・中小企業政策」を学ぶ意義として、試験よりも合格後の実務で役立つことをお伝えしました。詳しくは以下の記事をご確認ください。
中小企業診断士一次試験が難関といわれる二つの理由
ここまで、中小企業診断士一次試験の科目ごとに合格するための学習方法を総括しました。
次に中小企業診断士一次試験全体から合格するための戦略を俯瞰します。まず、中小企業診断士一次試験は難関である理由は、以下2つです。
理由1:中小企業診断士一次試験の試験科目が7科目あり、幅広い分野の学習が求められる
中小企業診断士一次試験科目は以下7つです。
- 経済学/経済政策
- 財務/会計
- 企業経営理論
- 運営管理
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営/中小企業政策
中小企業診断士一次試験は、科目間の関連性が低く、得意・不得意がはっきりわかれる結果、学習負荷が非常に高くなります。総学習時間は1500時間といわれております。
理由2:中小企業診断士一次試験の合格基準が非常に厳しい
第1次試験の合格基準:総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。(令和5年度中小企業診断士第1次試験案内・申込書より引用)
例えば、全科目平均で総点数の60%以上であったとしても、一科目でも40%未満があれば不合格となります。そのため、中小企業診断士一次試験合格のためには戦略的な対応が必要になります。
以下で、中小企業診断士一次試験に合格するための戦略をご紹介します。
私の中小企業診断士一次試験受験履歴=5回受験した
私の中小企業診断士一次試験受験履歴をご紹介します。理由は、皆様に、中小企業診断士試験一次試験において、私のような苦労をしてほしくないからです。
私の中小企業診断士一次試験受験履歴
私は中小企業診断士一次試験を5回受験して、3回合格しました。具体的には、平成24年から平成26年まで3回一次試験に合格しています。一次試験に3回合格した理由は、二次試験を3回受けたからです。
| 科目名 | 平成22年 | 平成23年 | 平成24年 | 平成25年 | 平成26年 |
| 経済学・経済政策 | 32 | 44 | 76 | 48 | 68 |
| 財務・会計 | 56 | 36 | 64 | 79 | 68 |
| 企業経営理論 | 54 | 62 | 未受験 | 52 | 69 |
| 運営管理 | 76 | 未受験 | 未受験 | 66 | 59 |
| 経営法務 | 55 | 76 | 未受験 | 58 | 48 |
| 経営情報システム | 64 | 未受験 | 未受験 | 80 | 52 |
| 中小企業経営・中小企業政策 | 65 | 未受験 | 未受験 | 42 | 69 |
| 合計 | 402 | 218 | 140 | 425 | 423 |
| 一次試験の結果 | 不合格 | 不合格 | 合格 | 合格 | 合格 |
中小企業診断士一次試験合格のための誤った戦略=科目合格制度を利用する(個別最適)
受験履歴を見ていただければわかるように、私は一次試験合格まで3年かかっています。3年かかった理由は、科目合格制度を利用したからです。科目合格制度とは以下です。(他に関連資格取得による科目免除もありますが、今回は割愛します。)
科目合格制度:中小企業診断士一次試験7科目のうち、60%を超えた科目が翌年及び翌々年受験免除となる制度。その年の合格は、免除した科目以外の合計点数で判断される。なお、2年経過すると科目合格した履歴はリセットされ再受験となる。
前述の中小企業診断士一次試験は難関である理由から、学習負荷を分散するため、科目合格制度を利用して2-3年かけて一科目ずつ合格していく学習予定を組む人が多いです。私も当初そのような戦略(個別最適な戦略)を立てた結果、一次試験合格まで3年かかりました。より早く合格するためには、科目合格制度の利用はおすすめしません。主な理由は、二つあります。
理由1:科目合格した翌年は、不得意科目だけで合格基準60%をクリアしなければならない
科目合格できないということは、自分にとって不得意科目であるという証拠です。得意科目に比べれば学習効率は悪くなります。さらにこの試験の制度上、不得意科目だけで合計60%を超えるような学習が求められます。例えば、私の場合は3年目に、不得意科目であった「経済学・経済政策」と「財務・会計」の二科目だけで平均60%を超える必要がありました。
理由2:毎年科目ごとの難易度変動が激しく、不得意科目で難易度が高い時期にあたると学習が無駄になる
下記の過去5年間における科目ごとの合格率推移を確認してみてください。
中小企業診断士試験 各年度 科目別合格率の推移
| 科目名 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
| 経済学・経済政策 | 26.4% | 25.8% | 23.5% | 21.05% | 10.54% |
| 財務・会計 | 7.3% | 16.3% | 10.8% | 22.40% | 13.33% |
| 企業経営理論 | 7.1% | 10.8% | 19.4% | 34.75% | 17.26% |
| 運営管理 | 25.8% | 22.8% | 9.4% | 18.49% | 16.10% |
| 経営法務 | 5.1% | 10.1% | 12.0% | 12.84% | 26.86% |
| 経営情報システム | 22.9% | 26.6% | 28.1% | 9.28% | 18.51% |
| 中小企業経営・中小企業政策 | 23.0% | 5.6% | 16.4% | 7.08% | 10.90% |
| 平均 | 16.8% | 16.86% | 17.09% | 17.98% | 16.21% |
年度ごと、科目ごとに極端に合格率の変動があることがわかると思います。例えば、経営法務は、2018年度の5%(20人に一人合格)の難易度から2022年度の27%(4人に一人)まで難易度までばらついています。もし、仮に科目免除をした翌年、不得意科目である経営法務の難易度が高い年にあたった場合、20人に一人になるような学習が必要になります。その場合、どんなに努力をしても合格は難しくなり学習したことが無駄になります。以上から科目合格制度を利用すると、年々合格が難しくなります。つまり、中小企業診断士一次試験に合格するうえで、科目合格制度を利用する(個別最適)は誤った戦略であるといえます。
中小企業診断士一次試験合格のための正しい戦略=毎年全科目受験する(全体最適)
では、科目合格制度を利用しないほうがいいとして、中小企業診断士一次試験に合格するためには、どのような戦略がよいのでしょうか?結論からいえば、中小企業診断士一次試験合格のための最適戦略は、「毎年全科目を受験する(全体最適)」です。
前述の「中小企業診断士試験 各年度 科目別合格率の推移」を一番下の年度平均値を見ていただくと、大体16-18%の合格率となっています。
ここから、試験委員が中小企業診断士一次試験合格者に求める資質が見えてきませんか?
それは、「中小企業診断士は、外部環境の変化(年度ごと科目ごとに難易度が変動する)に対し、内部資源(学習リソース)を、全体最適になるよう配置する戦略(全科目を受験する)を実行することで目標(全科目平均で合格基準である60%以上)を達成する」です。
例えば、私は一次試験4回目から全科目を受験する戦略に切り替えた結果、ボーダーラインぎりぎりではありますが、2年連続で一次試験に合格できました。
いかがでしたか?これまで、9回にわたり、中小企業診断士一次試験に合格するために学習方法や戦略についてご紹介してきました。
当ブログでは、今後も中小企業診断士についての情報を発信してまいります。中小企業診断士試験合格目指して一緒に頑張ってまいりましょう。引き続きよろしくお願いいたします。

